九星気学や方位学では、引っ越し・旅行・転職・開業など、大きな移動を考える際に「凶方位」を確認する考え方があります。
その中でも特に重要とされるのが、五大方殺(ごだいほうさつ)です。
五大方殺とは、一つの凶方位の名前ではありません。
五黄殺・暗剣殺・歳破・本命殺・本命的殺という、主要な凶方位をまとめた呼び方です。
それぞれ意味や決まり方が異なるため、「五大方殺だから危険」とひとまとめに考えるより、どの凶方位に当たっているのかを分けて確認することが大切です。
この記事では、五大方殺の全体像と、それぞれの違い、方位の見方、動く前と動いてしまった後の考え方までまとめて案内します。
五大方殺とは?
五大方殺とは、九星気学や方位学で注意される主要な凶方位をまとめた総称です。
一般的には、次の五つを指します。
五黄殺
五黄土星が回座している方位。
暗剣殺
基本的に五黄殺の反対側に位置する方位。
歳破
その年の十二支が示す方位の反対側に位置する方位。
本命殺
本人の本命星が回座している方位。
本命的殺
基本的に本命殺の反対側に位置する方位。
この五つは、すべて同じ基準で決まるわけではありません。
そのため、五大方殺を理解するには、それぞれを個別に見る必要があります。
五大方殺はすべて全員共通ではない
五大方殺について、「その年の全員に共通する凶方位」と説明されることがあります。
しかし、厳密にはそうではありません。
五黄殺・暗剣殺・歳破は、その年や月の盤から共通して確認する方位です。
一方で、
本命殺・本命的殺は、本人の本命星によって変わる個人的な方位です。
つまり、同じ年・同じ場所・同じ目的地であっても、人によって本命殺や本命的殺に当たる場合と、当たらない場合があります。
五黄殺とは?
五黄殺は、五黄土星が回座している方位です。
九星気学では、五黄土星は強い作用を持つ星として扱われ、五黄殺も重要な凶方位の一つとされています。
伝統的には、停滞・崩れ・内部からの問題などと関連づけて説明されることがあります。
ただし、五黄殺の方位へ動けば必ず問題が起こると科学的に確認されているわけではありません。
方位を重視する場合には、移動前に候補を比較するための判断材料として利用できます。
すでに五黄殺の方向へ動いてしまった場合や、避けられない場合はこちらです。
暗剣殺とは?
暗剣殺は、基本的に五黄殺の反対側に位置する凶方位です。
五黄土星が中央以外に回座している場合、その反対側が暗剣殺として扱われます。
伝統的な解釈では、暗剣殺は自分だけではコントロールしにくい外的な問題や、予期しにくい出来事と関連づけて説明されることがあります。
そのため、暗剣殺を気にする場合には、契約・交通・第三者・周囲の状況など、自分以外の要素を確認するサインとして使う方法があります。
すでに暗剣殺の方向へ動いてしまった場合はこちらです。
歳破とは?
歳破は、その年の十二支が示す方位と反対側に位置する凶方位です。
年ごとに位置が変わるため、毎年同じ方角になるわけではありません。
伝統的には、破れ・予定の崩れ・対立・変更などと関連づけて説明されることがあります。
歳破を気にする場合には、予定変更や契約条件、相手との認識のずれなどを確認するきっかけとして利用できます。
すでに歳破の方向へ動いてしまった場合はこちらです。
本命殺とは?
本命殺は、本人の本命星がその年や月の盤で回座している方位です。
そのため、本命殺は全員共通ではありません。
同じ方向へ移動しても、人によって本命殺になる場合と、ならない場合があります。
伝統的には、本命殺は本人自身の状態、判断、体調など、自分側の問題と関連づけて説明されることがあります。
本命殺を気にする場合には、疲労・焦り・判断・予定などを確認するサインとして利用できます。
すでに本命殺の方向へ動いてしまった場合はこちらです。
本命的殺とは?
本命的殺は、基本的に本命殺の反対側に位置する凶方位です。
本命殺と同じく、本人の本命星によって変わる個人的な方位です。
伝統的には、人間関係・契約・金銭・周囲との縁など、自分と外部との関係に結びつけて説明されることがあります。
本命的殺を気にする場合には、相手との認識、契約条件、金銭、予定共有などを確認するサインとして活用できます。
すでに本命的殺の方向へ動いてしまった場合はこちらです。
五大方殺の違いを簡単に整理
五黄殺
五黄土星の位置で決まる。
暗剣殺
基本的に五黄殺の反対側。
歳破
その年の十二支が示す方位の反対側。
本命殺
本人の本命星がある方向。
本命的殺
基本的に本命殺の反対側。
つまり、五大方殺を見るときには、
年や月の盤から確認する共通方位
と、
本人の本命星から確認する個人的な方位
を分けて考える必要があります。
複数の凶方位が重なっていたら?
同じ方向に、複数の注意条件が重なることがあります。
たとえば、
五黄殺+歳破。
暗剣殺+本命殺。
歳破+本命的殺。
などです。
このような場合、方位学を重視するのであれば、他の候補より慎重に比較する材料になります。
ただし、二つ重なれば凶が二倍、三つ重なれば三倍になると単純に考える必要はありません。
変更できるなら別の候補を比較する。
変更できないなら、現実的な準備や確認を丁寧にする。
そのように使う方が、方位だけに振り回されにくくなります。
引っ越し前に確認する場合
引っ越しは生活拠点そのものを変えるため、方位を重視する人にとっては優先的に確認する対象です。
まず現在地から新居までの方向を確認します。
そのうえで、
五黄殺。
暗剣殺。
歳破。
本人の本命殺。
本人の本命的殺。
を確認します。
複数の候補があるなら、方位を比較条件の一つにできます。
ただし、住宅選びでは、
家賃。
耐震性。
災害リスク。
防犯。
通勤・通学。
医療。
周辺環境。
などの現実的な条件も重要です。
方位だけを理由に、安全性や生活条件を大きく下げる必要はありません。
旅行・出張ではどう見る?
旅行や出張についても方位を見る考え方があります。
ただし、数日の旅行と生活拠点を変える引っ越しでは、移動の性質が異なります。
日常的な短距離移動まで毎回細かく確認すると、生活が窮屈になりやすくなります。
まずは引っ越し・長期転勤・長期旅行など、大きな移動から優先して確認する方法があります。
転職ではどう見る?
転職については、勤務地への方向を気にする人もいます。
ただし、方位だけで会社の良し悪しを判断することはできません。
仕事内容。
給与。
勤務時間。
雇用形態。
会社の経営状態。
人員体制。
通勤。
などの条件も確認しましょう。
方位は候補比較の一つとして利用する程度に考えると整理しやすくなります。
開業・事務所移転ではどう見る?
開業や事務所移転も、大きな移動として方位を確認する人が多い分野です。
方位を確認すると同時に、
立地。
家賃。
需要。
競合。
資金繰り。
人材。
契約条件。
などの現実的な要素を確認することが重要です。
方位だけで事業判断をしないようにしましょう。
家の中の方角と移動方位を混同しない
五大方殺について調べていると、玄関・寝室・キッチンなど、家の中の配置と結びついた説明を見ることがあります。
しかし、引っ越しなどで見る移動方位と、住宅内部を見る家相や風水は分けて考えた方が整理しやすくなります。
現在地から目的地への移動を見ているのか。
住宅内部の配置を見ているのか。
何を判断しているのかを最初に確認しましょう。
吉日を選べば五大方殺は消える?
凶方位への移動を避けられない場合に、大安・天赦日・一粒万倍日などの吉日を選ぶ方法が紹介されることがあります。
複数の日程から選べる場合に、吉日を補助的な判断材料として利用することはできます。
ただし、吉日を選べば五大方殺が完全になくなる、相殺できると考える必要はありません。
方位と吉日は別の考え方です。
吉方位旅行で凶方位を打ち消せる?
凶方位へ動いたあとに、吉方位へ旅行する「吉方取り」が紹介されることがあります。
気分転換や生活の区切りとして利用することはできます。
ただし、一度吉方位へ出かければ凶方位の影響が完全に消えると断定する必要はありません。
現実的な問題がある場合には、その問題そのものへの対応を優先しましょう。
すでに凶方位へ動いてしまったら?
引っ越しや転職、旅行のあとになって、凶方位だったと気づくこともあります。
その場合に、「もう取り返しがつかない」と考える必要はありません。
まず、どの凶方位だったのかを確認します。
そのうえで、
現在の体調。
人間関係。
契約。
生活環境。
仕事。
金銭。
などを具体的に確認しましょう。
問題がなければ、悪いことが起きるのを待つ必要はありません。
問題がある場合には、方位だけを原因にせず、その問題そのものへ対処します。
五大方殺を恐れすぎない
五大方殺は、九星気学や方位学における伝統的な考え方です。
凶方位へ移動したことで、病気・事故・金銭問題・家庭不和などが必ず起こると科学的に確認されているわけではありません。
そのため、
何か悪いことが起きるはずだ。
この失敗は凶方位のせいだ。
今年は何もしてはいけない。
と考え続ける必要はありません。
方位を取り入れるのであれば、大きな行動の前に一度確認し、現実的な条件と比較するくらいの使い方が実践的です。
小児殺は五大方殺とは別の関連方位
子どもがいる家庭では、小児殺について調べることもあります。
小児殺は五大方殺には含まれません。
主に子どもについて注意されてきた別の方位概念です。
そのため、五黄殺・暗剣殺・歳破などと同じ方向に小児殺が重なることもあります。
子どもがいる家庭で小児殺も確認したい場合はこちらで詳しく解説しています。
すでに小児殺の方向へ動いてしまった場合はこちらです。
目的別に確認する
五大方殺そのものの意味を知りたい
まずこの記事で全体像を確認し、気になる凶方位の個別記事へ進んでください。
これから引っ越し・旅行・転職・開業を予定している
五黄殺・暗剣殺・歳破を確認し、自分の本命星から本命殺・本命的殺も確認します。
すでに動いてしまった
該当する凶方位ごとの「動いてしまった場合の対処法」を確認してください。
子どもがいる
五大方殺とは別に、小児殺も関連情報として確認できます。
五大方殺を見るときの基本的な順番
方位を確認するときは、次の順番にすると整理しやすくなります。
1.何のために方位を見るのかを決める。
2.現在地から目的地の方向を確認する。
3.年盤で五黄殺・暗剣殺・歳破を確認する。
4.自分の本命星から本命殺・本命的殺を確認する。
5.必要に応じて月盤などを確認する。
6.複数の注意条件が重なっていないかを見る。
7.現実的な条件と比較する。
この順番なら、最初から細かい条件を増やしすぎずに確認できます。
まとめ:五大方殺は五つの凶方位を一つずつ確認する
五大方殺とは、
五黄殺。
暗剣殺。
歳破。
本命殺。
本命的殺。
という主要な凶方位をまとめた総称です。
五大方殺という一つの巨大な凶方位が存在するわけではありません。
また、五黄殺・暗剣殺・歳破は盤から共通して確認する一方、本命殺・本命的殺は本人によって変わります。
そのため、
「五大方殺だから怖い」
ではなく、
「どの凶方位に当たっているのか」
を一つずつ確認することが重要です。
まだ動く前なら、別の方位・時期・候補と比較する。
避けられないなら、契約・安全・体調・予定など現実的な条件を丁寧に確認する。
すでに動いてしまったなら、過去の方位を恐れ続けず、現在の生活を整える。
「全体を知る → 個別の凶方位を確認する → 現実の条件と比較する → 必要なら対処する」
この流れで考えることで、五大方殺という言葉だけに振り回されず、方位の知識を現実の判断材料として使いやすくなります。

