だるまは日本各地で作られていますが、すべてが同じ形・顔・色をしているわけではありません。
産地によって、
顔つき
形
色
描かれる模様
作られてきた歴史
などに違いがあります。
つまり、地域だるまを選ぶときは、「どの地域が一番開運に強いか」を比べるより、それぞれの土地でどのような縁起物として受け継がれてきたのかを見る方が分かりやすくなります。
このページでは、高崎だるま・白河だるま・越谷だるまなど、代表的な地域だるまの特徴を中心に整理します。
地域によってだるまが違う理由
だるまは、各地域の職人・産業・市場・信仰などと結びつきながら発展してきました。
そのため、同じ「だるま」でも、
丸みの強いもの。
細身のもの。
柔らかい顔のもの。
力強い顔のもの。
縁起物の模様が細かく描かれているもの。
など、見た目にも違いがあります。
地域だるまは、「願い別の色分け」とは少し違い、その土地の伝統や造形そのものを楽しんで選べるだるまと考えるとよいでしょう。
群馬県・高崎だるま
全国的にもよく知られているのが、群馬県高崎市の高崎だるまです。
高崎だるまは、丸みを帯びた形と、縁起の良い意匠が大きな特徴です。
特に有名なのが、
眉毛に鶴
ひげに亀
を表現した顔です。
高崎市によると、この鶴と亀の意匠から「縁起だるま」「福だるま」とも呼ばれています。また、腹部や肩には「福入」「家内安全」「商売繁盛」「大願成就」「目標達成」などの文字が書かれるものがあります。
高崎だるまと「七転び八起き」
高崎だるまは、起き上がりやすい丸い形も特徴です。
その姿は「七転び八起き」と結びつけられ、困難があっても再び立ち上がる縁起物として親しまれてきました。
群馬県の資料では、養蚕農家が蚕の「起き」とだるまの起き上がりを重ねて縁起物として扱った歴史も紹介されています。
そのため、現在では商売・仕事・試験など、目標達成を願う場面で選ばれる代表的なだるまの一つです。
福島県・白河だるま
福島県白河市の白河だるまも、長い歴史を持つ代表的な地域だるまです。
白河だるまの特徴は、顔全体に縁起の良い意匠が組み込まれていることです。
白河市によると、
眉に鶴
ひげに亀
あごひげに松・竹
びんひげに松・梅
が表現され、「鶴亀松竹梅」が顔に取り入れられています。
顔そのものが、複数の吉祥モチーフで構成されているのが白河だるまの大きな特徴です。
白河だるまは赤と白で意味が異なる
白河市では、
白いだるま
→ 開運祈願
赤いだるま
→ 厄除け・家内安全
のご利益があるものとして紹介されています。
地域だるまの中でも、色による意味が比較的はっきり示されている例です。
また、毎年2月11日には白河だるま市が開催され、多くの人がだるまを買い求めます。
埼玉県・越谷だるま
埼玉県越谷市で作られている越谷だるまは、また違った表情を持っています。
越谷市によると、他のだるまと比べて、
肌の色が白い
鼻がやや高い
上品で優しい顔立ち
が特徴です。
これは、主な出荷先だった江戸に近く、輸送中に鼻が破損する心配が比較的少なかったため、高い鼻の造形が発達したと考えられています。
越谷だるまにはさまざまな色がある
越谷だるまでは、一般的な赤いだるまだけでなく、
紅白だるま
紫
白
赤
黄
緑
などの五色だるまも作られています。
色のバリエーションを楽しみたい場合にも選択肢になります。
地域だるまを「運別」に決めつけすぎない
地域だるまについて調べていると、
「この地域は仕事運」
「この地域は恋愛運」
「この地域は健康運」
というような説明を見かけることがあります。
しかし、すべての地域だるまに、歴史的に固定された「運別の担当」があるわけではありません。
たとえば、高崎だるまでは商売繁盛・家内安全・大願成就・目標達成など、複数の願いが扱われています。白河だるまでも、色によって開運祈願や厄除け・家内安全といった意味が示されています。
そのため、地域だけで願いを一つに限定するより、
その地域の伝統
顔や形
色
自分が持ちたいと思えるか
を基準に選ぶ方が自然です。
「地域性」と「現代的な開運解釈」は分けて考える
地域だるまには、歴史的に確認できる特徴があります。
一方、
「この顔なら人間関係運」
「この地域なら成功運」
といった現代的な解釈が後から加えられることもあります。
こうした考え方を楽しむこと自体に問題はありません。
ただし、伝統的な地域文化として確認できる内容と、現代の開運解釈は分けて考えると、だるまについて理解しやすくなります。
地域だるまを選ぶなら何を基準にする?
地域からだるまを選びたい場合は、次のような基準があります。
地域の歴史に興味がある
→ その土地で長く作られているだるまを選ぶ
顔つきが好き
→ 実際の表情から選ぶ
伝統的な縁起意匠を重視したい
→ 鶴・亀・松竹梅などの意匠を見る
色から選びたい
→ その地域で作られている色だるまを確認する
地元やゆかりのある地域を大切にしたい
→ 自分と縁のある産地から選ぶ
地域で選ぶか、願いで選ぶか迷ったら
地域だるまと願い別だるまは、選び方の軸が違います。
地域だるま
→ 歴史・文化・顔・製法などから選ぶ
願い別
→ 金運・仕事・健康・人間関係など目的から選ぶ
そのため、
「まず願いを決め、その中から気に入った地域だるまを選ぶ」
という方法でも構いません。
顔・サイズ・手作り・市販も含めて選びたい場合
地域だけでなく、顔つき・サイズ・手作り・市販なども比較したい場合はこちらでまとめています。
開運だるまの選び方|顔つき・サイズ・手作り・市販の違いを解説
色から選びたい場合
願いと色の関係を中心に確認したい場合はこちらです。
まとめ:地域だるまは「土地の文化」から選ぶ
地域ごとのだるまには、それぞれ異なる歴史・顔・形・意匠があります。
たとえば、
高崎だるま
→ 鶴の眉・亀のひげ、丸みのある形、商売繁盛・家内安全・大願成就・目標達成など
白河だるま
→ 鶴亀松竹梅を顔に取り入れた意匠、白は開運祈願、赤は厄除け・家内安全
越谷だるま
→ 白い肌、高い鼻、上品で優しい顔立ち、さまざまな色のだるま
という違いがあります。
どの地域のだるまが最も強いということではありません。
その土地の文化や造形を知り、自分が意味を感じられる一体を選ぶことが、地域だるまを楽しむ一番自然な方法です。
地域から選ぶか、願い・色・顔から選ぶかで迷ったら、まず何を重視したいか決めてください。
伝統や歴史を楽しみたい。
顔つきで選びたい。
願いに合う色を選びたい。
自分に合うだるまを総合的に選びたい。

