方位学を学ぶと必ず耳にするのが、「五大方殺(ごだいほうさつ)」と「本命殺(ほんめいさつ)」という言葉です。どちらも凶方位として知られ、移動や転居の際に注意すべき重要な指標です。しかし、この二つの関係性を正しく理解し、適切に対処すれば、凶意を最小限に抑えることができます。この記事では、五大方殺と本命殺の違いと関連性、そして防ぎ方を丁寧に解説します。
五大方殺とは?
五大方殺とは、九星気学において定義される五つの主要な凶方位のことです。具体的には、五黄殺・暗剣殺・歳破・本命殺・本命的殺の五つを指します。これらの方位は年ごとに変動し、その年の気の流れ(年盤)によって決まります。
五大方殺の特徴は、その年の社会的・環境的エネルギーに関わるため、個人の意志では避けにくい外的な運の波を示していることです。したがって、引越しや新築、開業などの大きな行動を取る際は、年盤上の五大方殺の方位を確認することが欠かせません。
本命殺とは?
一方、本命殺は個人の「本命星」から見た凶方位です。自分の生まれ星(九星)と相性が悪い方向で、自分の内面的な運気の乱れを意味します。五大方殺が「外部の影響」に対する凶方位であるのに対し、本命殺は「個人の内側」に関係する凶方位です。
たとえば、一白水星の人は南が本命殺、九紫火星の人は北が本命殺など、それぞれの星ごとに異なります。本命殺の方位に引越したり長期滞在すると、心身のバランスが崩れやすく、気力の低下や人間関係の不調を引き起こすといわれています。
五大方殺と本命殺の関係
五大方殺と本命殺は、同じ「凶方位」でありながら、その性質が異なります。
- 五大方殺:社会・環境・外的エネルギーの乱れを示す。
 - 本命殺:個人の精神・身体・内的エネルギーの乱れを示す。
 
この二つが重なると、外からの影響と内からの乱れが同時に発生するため、トラブルや不調が連鎖しやすくなるとされています。これを「ダブル凶方位」と呼び、最も注意が必要な状態です。
凶意を最小限にするための防ぎ方
1. 行動前に方位盤を確認する
まずは、その年と月の「年盤」「月盤」を確認し、五大方殺や本命殺の位置を把握しましょう。暦や方位アプリなどを使うと簡単に確認できます。大きな決断をする前に、方位を調べる習慣をつけることが開運の第一歩です。
2. 凶方位を避けられない場合は吉日を選ぶ
どうしても凶方位へ行かなければならないときは、天赦日・一粒万倍日・大安などの吉日に行動することで、凶意を和らげられます。時間帯も午前中が吉とされ、早い時間に動くほど影響が少ないといわれます。
3. 方位除けと浄化を行う
引越しや旅行の前後には、神社での方位除け祈祷がおすすめです。寒川神社(神奈川)や方違神社(大阪)は特に有名です。また、自宅では玄関や凶方位に当たる部屋を掃除し、盛り塩や白檀のお香を焚いて気の流れを整えましょう。
4. 吉方取りでエネルギーを補う
凶方位を避けるだけでなく、吉方位に出かけて良い気を取り込むことも有効です。吉方位の温泉や神社、自然豊かな場所で過ごすと、エネルギーのバランスが回復し、運気の立て直しにつながります。
まとめ:方位の凶意は「整えることで弱まる」
五大方殺と本命殺は、人生の中で誰もが何度か遭遇します。しかし、それを恐れる必要はありません。大切なのは、知って対策を取ること。凶方位を意識して生活を整えることで、むしろ気の流れが安定し、結果的に開運につながります。
方位の知識は、運をコントロールするための「智慧」です。凶方位を恐れず、整え、活かすことで、あなたの人生はより穏やかで調和の取れた流れへと変わっていくでしょう。

  
  
  
  