五大方殺と五黄殺の意味・由来・対策を風水師がわかりやすく解説

風水を学ぶうえで避けて通れないのが「五大方殺(ごだいほうさつ)」と「五黄殺(ごおうさつ)」という二つの凶方位です。これらは古くから「最も恐るべき方位」とされ、家づくりや引っ越し、旅行などあらゆる行動の際に考慮されてきました。しかし、なぜこの二つがそこまで恐れられるのか、その由来や根拠を理解している人は意外と少ないものです。本記事では、風水師の視点から、五大方殺と五黄殺の意味・発生の仕組み・対策をわかりやすく解説します。

五黄殺とは ― 「破壊と腐敗」を司る帝王の星

五黄殺とは、九星気学の中心に位置する「五黄土星」が、その年や月に回座した方位を指します。五黄土星は、もともと「帝王星」とも呼ばれ、権威や支配、中心性を象徴する存在です。しかしその力が暴走すると、秩序を崩し、腐敗や破壊といった負の作用をもたらすとされます。これが五黄殺が「帝王の災い」と呼ばれるゆえんです。

五黄殺の方位は、動かすと災いが生じるという特徴を持ちます。たとえば、五黄殺の方位に向かって引っ越す、旅行する、あるいは家を建て替えるなどの「動的な行為」を行うと、金銭・健康・人間関係のトラブルが起きやすくなります。一方で、その方位を静かに整える(掃除や整理など)行為は問題ありません。

五大方殺とは ― 五つの凶が重なる特別な現象

五大方殺は、五黄殺・暗剣殺・歳破・本命殺・本命的殺という五つの凶方位が重なるときに発生する、非常に強力な凶現象です。九星気学では、これらの凶方位のいずれか一つでも注意すべきとされますが、五大方殺の年はそれらが同時に作用するため、運気の停滞や予期せぬトラブルが起きやすくなるといわれています。

五大方殺は毎年発生するわけではなく、年の星の配置によって限られた周期で現れます。このため、風水師の間では「五大方殺の年は静かに過ごすべし」との教えが伝えられており、新規事業・転居・開業などの大きな動きを控えるのが鉄則とされています。

五黄殺と五大方殺の由来 ― 古代中国の思想に基づく

これらの概念は、古代中国の陰陽五行思想と、天体観測に基づく方位学から生まれました。五黄土星は、地球の中心と宇宙のバランスを象徴する星として、古代では「中宮星」と呼ばれました。その位置が他の星(九星)の配置と重なった際に、天地の気が乱れると考えられたのです。

五大方殺は、国家の繁栄と衰退にも関係づけられ、戦や疫病の発生とも結びつけられてきました。現代では「災厄の象徴」として扱われていますが、その根底には「天地の気の調和を乱さない」という自然観があります。

風水師が教える!凶方位の回避と対策

五黄殺・五大方殺を避けるためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

  • 1. 年盤・月盤を確認する:その年・月の九星盤を見て、五黄土星と五大方殺の位置を特定します。
  • 2. 方位に動きを作らない:該当方位での引っ越し・工事・旅行は避け、静かに過ごします。
  • 3. 方位除けを行う:神社での方位除け祈祷や、お清めの塩・水晶を使ってエネルギーを整えるのも効果的です。
  • 4. 吉日・吉時を選ぶ:どうしてもその方位に動く場合は、奇門遁甲や日家学で吉の時間を選びましょう。

まとめ:方位を知ることは「気」を読むこと

五黄殺と五大方殺は、単なる迷信ではなく、自然のエネルギーの流れを読み解く智慧です。方位を意識することで、無意識に起こしている「気の乱れ」を防ぎ、より穏やかで調和の取れた生活を送ることができます。凶方位を恐れるのではなく、知り、整え、慎みを持って行動する――それこそが、風水の真の実践であり、開運への第一歩なのです。

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