新しい住まいを探すとき、転職や出張で移動するとき、あるいは長期旅行に出かけるとき——その「方位」がもたらす運気を気にする人は少なくありません。特に風水や九星気学では、移動の方角が運命の流れに影響を与えるとされ、避けるべき方位を「凶方位」と呼びます。その中でも代表的なのが五大方殺と暗剣殺。一見似ているようで、性質も対策も異なるこの二つを見分けられるようになることが、トラブルを防ぐ第一歩です。
五大方殺とは:凶方位の基本セット
五大方殺(ごだいほうさつ)とは、九星気学で年・月ごとに定まる代表的な凶方位の総称です。五黄殺・暗剣殺・歳破・本命殺・本命的殺の5種類を指し、それぞれが異なる性質の凶意を持ちます。つまり五大方殺という言葉は「危険な方位のパッケージ名」であり、その中に暗剣殺も含まれているのです。
- 五黄殺:最も強い凶作用。破壊・停滞・トラブルなど。
 - 暗剣殺:外部からの事故・トラブルなど、突発的被害を象徴。
 - 歳破:年の干支と相剋する方位で、仕上げや終わりの失敗に関わる。
 - 本命殺・本命的殺:自分の本命星にとって不調を招く方位。
 
このうち五黄殺と暗剣殺は「年盤(その年の気の流れ)」を基準に判断するため、引越しや転職など大きな行動をする際には特に重視されます。
暗剣殺とは:外部トラブルの象徴
暗剣殺(あんけんさつ)は、五大方殺の中でも「自分では防ぎにくい災厄」を象徴します。事故、他人のミス、自然災害、環境変化など、外因によって発生する不運が代表例です。自分の行動よりも他人の要因で不利益を受けるという特徴があります。
たとえば、引越し先で近隣トラブルが起きる、転職先の会社が急に業績悪化する、旅行中に交通障害が発生する——こうした予測不能な事象は暗剣殺の象徴とされます。
五大方殺と暗剣殺の見分け方
五大方殺と暗剣殺は、対象範囲と性質で区別するのが基本です。簡単にまとめると次のようになります。
| 比較項目 | 五大方殺 | 暗剣殺 | 
|---|---|---|
| 範囲 | 五黄殺・暗剣殺など5つの凶方位の総称 | 五大方殺の中の1つ | 
| 凶意の性質 | 全体的な不運・停滞・崩壊など | 外部からの攻撃・トラブル・事故 | 
| 原因 | 自分の選択や流れの不一致 | 他者や外環境の影響 | 
| 対策 | 凶方位を重ねない・タイミングをずらす | 契約確認・安全対策・第三者チェック | 
凶方位を確認する手順
自分の行動が凶方位にあたるかを調べるには、以下の手順がわかりやすいでしょう。
- 年盤の確認:まずその年の九星盤を確認し、五黄殺と暗剣殺の方位を特定します。
 - 月盤との重なりを見る:該当月の盤でも同じ方位に凶が重なる場合、リスクが高まります。
 - 代替案を検討:可能であれば、引越しや出発の月をずらす、または別方向を選ぶ。
 
インターネット上でも無料の「方位盤作成ツール」があるため、初心者でも簡単にチェックできます。
避けられない場合の軽減策
どうしても暗剣殺や五黄殺の方位へ行かなければならない場合は、次のような対策が有効です。
- 明るい色を使う:引越し先や部屋に白や黄色など明るい色を取り入れる。
 - 清掃・整理整頓:埃や不要物は邪気を溜めるため、徹底的に清める。
 - 契約内容の再確認:トラブルの芽を摘む最も現実的な方法です。
 - お清め・塩・盛り塩:心理的にも安心感を得られます。
 
まとめ:凶方位は「避ける」より「整える」意識で
五大方殺と暗剣殺は、方位学の中でも特に重要な凶方位の概念です。違いを知ることで、単なる恐れではなく「備え」に変えることができます。暗剣殺は外部トラブルの象徴、五大方殺は総合的な凶方位群——その違いを理解し、計画を立てる際には一度方位盤をチェックする習慣を身につけましょう。凶を避けるのではなく、リスクを整えて進むことが、現代の風水活用術の本質です。

  
  
  
  