九星気学において「凶方位」と呼ばれるものは数多く存在しますが、その中でも「五大方殺」と「本命的殺」は特に注意すべき方位とされています。どちらも運気に悪影響を与える方位であることは共通していますが、その意味や影響の及び方には明確な違いがあります。本記事では、それぞれの定義と違いを整理し、誤って凶方位に動かないための基礎知識をまとめます。
1. 五大方殺とは何か
「五大方殺(ごだいほうさつ)」とは、九星気学の中でも特に広範囲に影響を及ぼす凶方位です。年盤や月盤で見ると、中央の五黄土星が示す「五黄殺」を中心に、五つの方位が同時に凶化することからこの名がつきました。五黄殺・暗剣殺・歳破・本命殺・本命的殺などを総称して「五大方殺」と呼ぶこともあります。
五大方殺は、特定の星の配置によって年ごとや月ごとに位置が変化します。そのため、「去年は大丈夫だった方位」が今年は大凶になることも少なくありません。家の建築、引っ越し、旅行、事業拡大など、大きな動きを伴う行動を取る際は、この五大方殺の位置を必ず確認することが重要です。
2. 本命的殺とは何か
「本命的殺(ほんめいてきさつ)」は、個人の「本命星(ほんめいせい)」によって定まる凶方位の一種です。つまり、全員共通の凶方位である五大方殺とは異なり、人それぞれに違う位置に現れる凶方位という点が特徴です。たとえば、一白水星の人と九紫火星の人では、本命的殺の方位がまったく異なります。
この方位に引っ越しや長期旅行を行うと、人間関係のトラブルや金運低下、健康不安などが現れやすくなるとされます。特に「本命殺」とセットで理解されることが多く、本命殺が「自分の中心を傷つける凶方位」であるのに対し、本命的殺は「自分の外にある縁を損ねる方位」とされています。
3. 五大方殺と本命的殺の違い
- 影響範囲:五大方殺は社会的・環境的影響が強く、誰にでも共通して作用します。一方、本命的殺は個人運に密接で、人ごとに異なる位置に出ます。
 - 対象:五大方殺は「時代的な運の流れ」に基づく凶方位、本命的殺は「個人の命運」に基づく凶方位です。
 - 影響内容:五大方殺では事業・不動産・家族全体に影響しやすく、本命的殺では人間関係や金銭・感情の乱れに現れやすいとされます。
 
4. 対策と避け方
五大方殺も本命的殺も、「知らずに動く」ことが最も危険です。引っ越しや旅行を計画する際は、必ず年盤・月盤を確認し、凶方位を避けることが第一の対策です。やむを得ずその方位に動かざるを得ない場合は、神社での方位除け祈願や、吉方位への小旅行(方位取り)を行うことで、凶の影響を和らげることができます。
また、暦や気学の知識を用いて、自分にとっての吉方位を活用することも重要です。方位は「避ける」だけでなく、「活かす」ことでも運気を高められます。
5. まとめ
五大方殺と本命的殺は、いずれも九星気学における重要な凶方位ですが、その性質は異なります。五大方殺は「誰にでも共通する大きな運気の乱れ」、本命的殺は「個人に特化した繊細な不運」と捉えると理解しやすいでしょう。どちらも知らずに行動すれば運気を落とす危険があるため、暦を確認し、慎重に動くことが大切です。
凶方位を避け、吉方位を選ぶ生活習慣が身につけば、日々の選択一つひとつが開運への道となるでしょう。

  
  
  
  