方位学の世界では、「五大方殺（ごだいほうさつ）」と「本命殺（ほんめいさつ）」は、それぞれが強力な凶方位として知られています。では、この二つが重なったとき、どのような運気の変化が起こるのでしょうか。本記事では、ダブルで凶作用をもたらす状況の意味と、その影響をやわらげるための具体的な対処法を解説します。
五大方殺と本命殺が重なる意味
五大方殺とは、九星気学で定義される五つの主要な凶方位──五黄殺・暗剣殺・歳破・本命殺・本命的殺──を総称したものです。これらの方位は、その年のエネルギーの偏りを示す「年盤」によって変わり、社会全体に影響する大きな流れを表しています。
一方の本命殺は、個人の生まれ星（本命星）から見たときに、相性が悪くなる方位を指します。個人の精神状態・体調・判断力に作用しやすく、外部環境よりも「自分の内面」に影響を与えるのが特徴です。
この二つが重なると、外的にも内的にも気の乱れが発生し、運の流れが滞る状態になります。たとえば、「引越しした途端に環境が合わない」「人間関係で誤解が続く」「体調を崩す」といった現象が起きやすくなるのです。
重なったときに起こりやすい影響
- 環境の変化に適応しづらくなる：五大方殺の影響で外部運が乱れ、職場・家庭・住環境で不調和を感じやすくなります。
- 心のバランスを崩しやすい：本命殺によって思考や感情が不安定になり、判断ミスや誤解が生まれやすくなります。
- タイミングのズレ：良かれと思って動いたことが裏目に出るなど、運の波に逆らう行動が起きやすくなります。
ただし、これらの影響は「絶対的な不幸」ではなく、気の流れが乱れた状態であると理解することが大切です。つまり、対処次第で十分に軽減できます。
運気を下げないための対処法
1. 凶方位を避ける
最も基本的な方法は、まずその方位へ移動しないことです。引越し・開業・長期旅行などの大きな行動は、方位盤で凶方位を確認し、別の吉方位を選びましょう。特に五大方殺と本命殺が重なる方位は、一年を通じて避けるのが賢明です。
2. 吉日を選ぶ
もし凶方位への移動が避けられない場合は、天赦日・一粒万倍日・大安・母倉日などの吉日を選びましょう。時間帯も、午前中に動くことで凶の影響をやわらげられます。
3. 方位除け・浄化を行う
凶方位のエネルギーを中和するには、神社での方位除け祈祷が有効です。また、部屋の中心から凶方位にあたる場所を掃除し、盛り塩や観葉植物で浄化しましょう。玄関や水回りの清潔さも、気の流れを整えるうえで重要です。
4. 吉方取りでエネルギーを補う
凶方位の影響を受けた場合は、反対方向の吉方位に出かけて気を取り戻す「吉方取り」が効果的です。温泉・神社・自然の多い場所で滞在することで、乱れた気をリセットできます。
気の流れを整える意識が大切
凶方位の影響は、気の乱れが原因です。つまり、焦り・不安・怒りといった感情を抑え、穏やかな心を保つことが最大の開運法となります。方位は「環境のエネルギー」ですが、最終的にその影響を受け取るのは「自分の心」です。
まとめ：重なる凶方位を恐れず、整える
五大方殺と本命殺が重なる年や方位は、確かに強いエネルギーの乱れが生じやすい時期です。しかし、正しい知識と整える行動を取れば、その影響を最小限にできます。むしろ、この時期を「運の調整期間」ととらえ、内面と環境を整えることで、次の好機を迎える準備が整うのです。
運気を下げない秘訣は、「知って避ける」「整えて流す」。方位の知恵を味方につけて、より穏やかで安定した一年を過ごしましょう。
