九星気学では、年ごとに「気の流れ」が変わるとされ、その流れを盤上の方位で読み解きます。中でも注意が必要とされるのが五大方殺(ごだいほうさつ)と暗剣殺(あんけんさつ)。これらが同じ方位上で重なる年は、凶の気が強まりやすく、移転・開業・結婚など大きな決断に慎重さが求められます。とはいえ、凶を恐れる必要はありません。重要なのは「流れに抗わず、整える」ことです。本記事では、五大方殺と暗剣殺が重なる年の意味と、運気を下げないための行動法を解説します。
五大方殺と暗剣殺が重なるとは?
五大方殺とは、年盤や月盤で定められる五つの凶方位(五黄殺・暗剣殺・歳破・本命殺・本命的殺)の総称です。その中の一つである暗剣殺は、「外的トラブル」を象徴する方位。五大方殺の中に暗剣殺が含まれるため、通常は同列に扱われますが、重なる年とは、年盤と月盤の両方で暗剣殺が同じ方位に位置し、さらに他の凶方位(五黄殺や歳破など)と重なる状態を指します。
つまり、「重なる年」は凶の作用が二重・三重に強調される年。特に東西南北いずれかに重なった場合、その方位への移動や拠点変更は慎重に検討すべき時期となります。
なぜ危険とされるのか
五大方殺と暗剣殺が重なる年は、気の流れに乱れが生じやすくなり、意図せぬトラブルを引き寄せやすいとされます。その傾向には次のようなものがあります。
- 外的要因による事故・災害・故障:自分では防ぎづらいアクシデント。
- 人間関係の摩擦:他人の判断や態度が原因での誤解・衝突。
- 決断ミス:急な方向転換や焦りによる選択の誤り。
これらは「暗剣殺=外因」「五黄殺=停滞」「歳破=崩壊」といったエネルギーが重なることで、思わぬ形で現実化しやすいと解釈されます。
運気を下げないための行動法
凶方位が重なる年でも、過ごし方次第で影響は最小限に抑えられます。以下のポイントを意識してみましょう。
- 大きな変化は避け、現状維持を重視
引っ越しや転職など、生活の基盤を動かす決断は翌年以降に見送るのが賢明です。 - 契約・人間関係の確認を怠らない
誤解やミスを防ぐため、書面・口約束・スケジュール管理を入念に。 - 心身の整えを最優先に
睡眠・食事・整理整頓など、日常の安定が最大の守りになります。 - 吉方を活用する
日帰り旅行や参拝を吉方に行うことで、停滞をほぐす効果があります。
避けられない場合のリカバリー法
どうしても五大方殺+暗剣殺の方位に動く必要がある場合は、次のような「緩和策」を取り入れましょう。
- 引越し時期を分散:契約・引越し・開業を別の月にずらして凶を重ねない。
- 空間の浄化:入居前の掃除、盛り塩、観葉植物の設置で気の循環を促す。
- 小まめな感謝と報告:人間関係のトラブルを防ぐため、言葉での感謝を意識する。
五大方殺+暗剣殺の年をチャンスに変える
一見「危険な年」に見えるこの時期も、実は「内省と準備」の年として最適です。外に出るより、内を整える。行動より、計画。そうした静かな時間が、翌年以降の大きな飛躍につながります。凶方位は避ける対象ではなく、行動のリズムを調整する目安として活用するのが風水の真意です。
まとめ:重なる年こそ「整える」一年に
五大方殺と暗剣殺が重なる年は、たしかに波乱を含む時期ですが、恐れる必要はありません。方位学は「流れを知って備える」ための知恵です。運を下げないためには、焦らず、清め、整え、確認すること。この4つの行動を意識すれば、どんな年も穏やかに乗り越えられるでしょう。

